鬼社長のお気に入り!?
「お前に何事もなくてよかったよ……」
「八神さん……?」
「久々に恐怖だと思える感覚を味わった。桐生がポケットに手を入れた時、何かあるって直感したんだ。ナイフでお前が刺される光景が一瞬頭によぎったら勝手に身体が動いてた……。今まで何年も何年も桐生を潰すことだけを考えてやってきたが……すまない、結局お前に嫌な役回りをさせたな」
そう言いながら八神さんは切なげに私の頬に親指の腹をあてがい何度も撫でた。
「そんな……役回りだなんて……私だって、八神さんが目の前で刺されて、もし……もし八神さんが死んじゃったらって――っ」
あの時の光景が蘇る。自分の手のひらにべっとりとついた八神さんの血。思い出すだけでも怖くなって涙声になる。
「馬鹿だな、俺がそう簡単に死ぬわけないだろ」
八神さんはそう言ってこぼれ落ちた一筋の涙を親指で拭った。
「お前のおかげだ……これでようやく自由になれた気がする。お前に「偽りだ」って言われた時からずっと引っかかってたんだ」
「……すみません、あの時は本当に生意気言ってしまって……」
「ふん、まぁな。この俺にそんな暴言吐けるのはお前くらいなもんだ。まぁ、それは冗談として……お前に偽りと言われて、俺がデザイナーになったきっかけを思い出すこともできたしな……けど、そんな初心に振り返ってしまったら、俺が今までやってきた意味を見いだせなくなりそうでさ」
八神さんが力なく笑う。
「八神さん……?」
「久々に恐怖だと思える感覚を味わった。桐生がポケットに手を入れた時、何かあるって直感したんだ。ナイフでお前が刺される光景が一瞬頭によぎったら勝手に身体が動いてた……。今まで何年も何年も桐生を潰すことだけを考えてやってきたが……すまない、結局お前に嫌な役回りをさせたな」
そう言いながら八神さんは切なげに私の頬に親指の腹をあてがい何度も撫でた。
「そんな……役回りだなんて……私だって、八神さんが目の前で刺されて、もし……もし八神さんが死んじゃったらって――っ」
あの時の光景が蘇る。自分の手のひらにべっとりとついた八神さんの血。思い出すだけでも怖くなって涙声になる。
「馬鹿だな、俺がそう簡単に死ぬわけないだろ」
八神さんはそう言ってこぼれ落ちた一筋の涙を親指で拭った。
「お前のおかげだ……これでようやく自由になれた気がする。お前に「偽りだ」って言われた時からずっと引っかかってたんだ」
「……すみません、あの時は本当に生意気言ってしまって……」
「ふん、まぁな。この俺にそんな暴言吐けるのはお前くらいなもんだ。まぁ、それは冗談として……お前に偽りと言われて、俺がデザイナーになったきっかけを思い出すこともできたしな……けど、そんな初心に振り返ってしまったら、俺が今までやってきた意味を見いだせなくなりそうでさ」
八神さんが力なく笑う。