鬼社長のお気に入り!?
 やはり桐生はもう狂っていた。取り出したものがナイフだと思った瞬間、俺は彼女を身を呈して守らなければという思いだけで行動に出た。


 刺された。


 そう思った時にはすでに意識が朦朧としていた。身体から体温が徐々に引いていくのを感じ、このままだと彼女に言いたいことも言えずに終わってしまうかもしれない。


 そう思ったら俺は彼女に「好きだ」とそう告げていた。


 そして俺の記憶はそこで途切れた。



 幸い刺された怪我は軽傷で済んだ。それなのに数日入院させられて、やらなければならない仕事だって山済みだというのに、病院のベッドでうかうか寝ている場合じゃない。クリスマスが過ぎてしまう。だから医者に無理言って退院の日を早めてもらった。
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