鬼社長のお気に入り!?
「それで~? 日下部のお嬢さんはどうなった?」


 一緒にいるのは桐生さんの同期の社員だ。開発企画部では見たことのない顔ぶれで、話の流れで営業部の社員だとわかった。


「まぁ、可愛い子だよ、なんでも俺の言うことも聞いてくれるしさ、さすがお嬢様だけあって世間知らずで色々と教え甲斐があるよ」


「おいおい、桐生、もう喰っちゃったの? 相変わらず手が早いな」


 ケラケラと笑っているその光景に私の中でもやっとしたものが生まれる。


「そういや、同じ部所のあの子名前なんだっけ? 杉野さん? デザイナーの、もういらないだろ? 俺にくれよ、前から可愛い子だなって思ってたんだけどさ~部所が違うからなかなか声かけづらくって」


「何言ってるんだよ、杉野さんはだめ」


 私のこと話してる……。俺にくれよって、私はものじゃないんだけどな――。


 桐生さんがいかにも遊んでる風の男性社員をぎろりと睨んでその申し出を断った。しかし、次に聞いた桐生さんの言葉は信じられないものだった。
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