鬼社長のお気に入り!?
「私、頑張ります。桐生電機で培ってきた知識があれば、きっとここの会社でもうまくやっていけると思いま――」


「ふぅん、案外うまいこと釣れたな」


「…………へ?」


 は……い? 今、なんて――?


 すると八神さんがソファの背もたれに寄りかかり、長い足を組みながら私の履歴書を手にとった。


 釣れたって? なんのこと? それ釣果報告じゃなくて履歴書なんすけど――?


「へぇ、あの大学のプロダクトデザイン学科卒業ねぇ、学歴だけは優秀みたいだな」


「……はい?」


 私の知っているジェントルマンさんはそんな低い声じゃなかった。目つきだってそんな鋭くなくてもっとこう、穏やかだったはず……なんだけど――?
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