♡゚・*:.。 Aqua Rose Princess 。.:*・゚♡
「セレルナ、これもあなたに渡すわね」
王妃は大きなケースを王女に渡す。
「…ヴァイオリン?」
「えぇ。セレルナにあげるって約束よね?」
「それは、16歳になったらという話では?」
王女が首を傾げた。
「もう、会えないかもしれないでしょう?」
哀しそうな瞳が王女を優しく見つめる。
王妃の表情はとても辛そうにみえた。
大切な我が娘を逃がそうとしている。
でもそれは、もう会えなくなってしまうかもしれないということでもある。