未来の1/fragment




一番奥のトイレだけが、鍵が閉まったまま誰かが入っていると知らずに、この女子3人は噂話や悪口をペラペラと話していた。


足跡が聞こえなくなったのを確認して、一番奥のトイレの扉が勢いよく開く。


中から出てきたのは、夏海の友人であるさやかだった。


今までの話をトイレの中で全て聞いていて、内容が内容で自分の友達だったこともあり、中々出ることができなかった。



「やっと出れた…、早く伝えないと‼︎」



さやかは急いで手を洗い、女子トイレを出て行った。



✳︎ ✳︎ ✳︎



一方、教室では夏海の姿はなく、教卓の前で真弥と数人のクラスメイトが集まって雑談をしていた。



さやかは慌てた様子で真弥に話しかけた。



「真弥、夏海どこに行った?」


「さぁ⁉︎さっきまで居たけど…何かあったの?」



走って来て息を切らすさやかは、中々肝心な話ができない。





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