虫めづる姫君
あとがき







最後までお付き合いいただき、まことにありがとうございます。


勢いで書き上げた作品なのですが、少しでもお楽しみいただけたら幸いです。

勢いで書き上げたので、虫の季節は無視です(ダジャレではありませんよ!)。悪しからず。



この作品の元ネタは、平安時代に作られた短編物語集『堤中納言物語』の中にある「虫めづる姫君」というお話です。


名前は便宜上、こちらで勝手につけさせてもらいましたが、姫君や御曹司のキャラもセリフも、内容はほとんど変えておりません。

言い方を現代風にアレンジしたくらいで。


姫君は本当に「人間というものはものごとの本質を見極めてこそ……」みたいなことを言っています。

平安時代の物語とは思えないその奥深くリアリティーのあるキャラ設定が、驚きです。



ちなみに、『堤中納言物語』には虫めづる姫君を含めて十編の物語が入っているんですが、どれも面白くひねりのきいた、斬新なものばかりです。


超プレイボーイが意中の姫をさらおうとしたら、なんと間違ってお婆さんを連れ出してしまうお話とか。【花桜折る中将】

急に男が訪ねてきて慌ててお化粧をしたら、白粉(ファンデーション)と間違ってはいずみ(アイブロウ、眉墨)を塗ってしまい、愛想をつかされた女の話とか。【はいずみ】


昔の人も、伊勢物語のような純愛ものや、源氏物語のようなどろどろ恋愛ものだけじゃなくて、

堤中納言物語のようなラブコメも求めていたんだなあ、と発見しました。


現代の私たちと同じですね!


全訳本もたくさん出ていますし、気になった方はぜひとも読んでみてください。




それでは、長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。



< 52 / 52 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:86

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく

総文字数/169,361

恋愛(純愛)300ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
どこにいても息苦しくて 世界は暗い灰色で そんなとき、君の絵に出会った 「俺はお前が嫌いだ」 「お前を見てると苛々する」 冷たくて残酷な君だけど 「俺は天才だからな」 その手が描く色鮮やかな世界は あまりにも綺麗で あまりにも優しくて 「今からお前に世界の全てを見せてやる」 君が私の世界を変えてくれた 「もうお前とは会わない」 それなのに、どうして 私から離れていくの?
だから私は、明日のきみを描く
[原題]だから、きみを描く

総文字数/71,249

恋愛(純愛)140ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
その瞬間、恋に落ちた。 次の瞬間、失恋した。 この恋は、やめなきゃ。 この想いは、消さなきゃ。 彼女を悲しませたくないから、 あの笑顔を守りたいから。 それでも、どうしようもなく、 きみが好き。 だから、私はきみを描く。 きみへの『好き』を消すために―― * 〈望月 遠子〉 大切な親友の遥と同じ人を好きになる 〈広瀬 遥〉 遠子の親友で、彼方に恋をしている 〈羽鳥 彼方〉 棒高跳びで全国を目指し練習に励む * レビュー御礼 竹久祐さま/氷月あや様/aonaさま 花野美桜さま/湖ヅキ様/黒乃輝光さま 小粋優心さま/森井あさと様/和泉りん様 リンク作品 『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』 2017年12月 りぼん冬の大増刊号で漫画化 2018年1月 単行本発売
まだ見ぬ春も、君のとなりで笑っていたい
[原題]それでも君はわたしの光

総文字数/126,518

恋愛(純愛)200ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
恋も、友情も 親との関係も、将来のことも なにもかもうまくいかない 悲しくて、悔しくて、苦しくて どうしようもなくて ひとり泣いていた私のもとに 舞い降りたのは 春の陽射しのように優しい歌声と 天使のような男の子 言葉にならない傷を抱えて それでも私たちは生きていく まだ見ぬ春も 君のとなりで笑ってたいから * 『だから私は、明日のきみを描く』の スピンオフ作品。遠子の親友・遥の物語

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop