海の底の君へ。―天国の君へ―
────────
─────
「「いける!はいっ!」」
曲もそろそろ後半に入る、そんな時だった。
私はオールアップ(下のベース、つまり土台が手をまっすぐ伸ばしている状態)で
スイッチ(片足をベースに持ってもらい、空中で逆足に変える技)をする。
なぜかわからない、
チームの雰囲気なのかな…
私はわかってしまった。
────あ、やばい落ちる。
足がしっかり固定されてない。
上がるときにベースが失敗した。
スポット(後ろでベースとトップを支えたり、上に乗せたりする役)も慌てて
引き上げる(ベースの負担を減らすためにトップの足をあげる)ものの、もう遅い。
一か八か、私は…スイッチをしてしまったんだ。
次の瞬間、私は落ちていることがわかった。
スローモーションでみんなが見える。
元から調子が悪かったのもあったから、
受け身なんて出来なかった。
その瞬間、
「バタンっっっ!!!」
瞬間的に体中に痛みが走る。
マズイか…も……
音楽がストップし、周りで練習していた
人も焦って近づいてくる。
「「紫夏!?」」
「「紫夏ちゃん!?」」
チームのみんな、先輩、コーチが
私を呼びかけてる。
でも息ができない、背中打っちゃったのか…
このまま過呼吸になったら喘息の発作でちゃう…
私は必死に息を整えようとする。
でもそんな思いとは裏腹に喘息の発作は
私を苦しめる。
「きゅ……吸入…、ゲホッウゥ…」
「紫夏!?はい、これっ!!!」
幸が言った瞬間に飛んできた。
さすが幸、私の小さな声に気づいてくれた。
「スーハースーハースーハー、ウゥ…ッッッ…。」
次の瞬間、
急に体中が痛くなり眼の前が真っ暗になって、息が出来なくなって…
遠くで蝉の声が聞こえた。
妙に大きな音で鳴いてる蝉は、もうすぐ
死ぬんだって泣いてるみたいで…
救急車!あと保健室の先生呼んで!
そんなコーチの声と蝉の泣き声が
プツンと途切れて……、
私は心臓が止まってしまった。
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「「いける!はいっ!」」
曲もそろそろ後半に入る、そんな時だった。
私はオールアップ(下のベース、つまり土台が手をまっすぐ伸ばしている状態)で
スイッチ(片足をベースに持ってもらい、空中で逆足に変える技)をする。
なぜかわからない、
チームの雰囲気なのかな…
私はわかってしまった。
────あ、やばい落ちる。
足がしっかり固定されてない。
上がるときにベースが失敗した。
スポット(後ろでベースとトップを支えたり、上に乗せたりする役)も慌てて
引き上げる(ベースの負担を減らすためにトップの足をあげる)ものの、もう遅い。
一か八か、私は…スイッチをしてしまったんだ。
次の瞬間、私は落ちていることがわかった。
スローモーションでみんなが見える。
元から調子が悪かったのもあったから、
受け身なんて出来なかった。
その瞬間、
「バタンっっっ!!!」
瞬間的に体中に痛みが走る。
マズイか…も……
音楽がストップし、周りで練習していた
人も焦って近づいてくる。
「「紫夏!?」」
「「紫夏ちゃん!?」」
チームのみんな、先輩、コーチが
私を呼びかけてる。
でも息ができない、背中打っちゃったのか…
このまま過呼吸になったら喘息の発作でちゃう…
私は必死に息を整えようとする。
でもそんな思いとは裏腹に喘息の発作は
私を苦しめる。
「きゅ……吸入…、ゲホッウゥ…」
「紫夏!?はい、これっ!!!」
幸が言った瞬間に飛んできた。
さすが幸、私の小さな声に気づいてくれた。
「スーハースーハースーハー、ウゥ…ッッッ…。」
次の瞬間、
急に体中が痛くなり眼の前が真っ暗になって、息が出来なくなって…
遠くで蝉の声が聞こえた。
妙に大きな音で鳴いてる蝉は、もうすぐ
死ぬんだって泣いてるみたいで…
救急車!あと保健室の先生呼んで!
そんなコーチの声と蝉の泣き声が
プツンと途切れて……、
私は心臓が止まってしまった。