海の底の君へ。―天国の君へ―
「んっ…」
全身が痛い。
しかも右手は動かない。
なんで…?
そんなことを考えて目を開ける。
そこには幸が手を繋ぎながら寝ていた。
「幸……?」
幸はゆっくりと目を開けて、見開いた。
「し、紫夏ぅぅぅ~」
幸は泣いていた。
なんでそんなに泣いてるの?
私がそう聞くと幸はびっくりした顔をして
「まぁとりあえず先生呼ぶね。」
そんなことを言いながら
ナースコールを押した。