海の底の君へ。―天国の君へ―
なんでだろ?
私はいつのまにか屋上に来ていた。
ただ冷水機を探していただけなのに…
「方向音痴にも程があるでしょ…」
自分にツッコミをいれながらフェンスの先を覗いてみる。
その時だった。
「君はなんで入院しているの?」
「え…?」
後ろから声が聞こえて振り向く。
でも誰もいない。
「空耳…?」
「ここだよ、…………っと。」
返事をしながらフェンスの先にあるハシゴの上から飛び降りてきた。
男の人。
多分高校生ぐらい。
背が高くてオシャレな縁の眼鏡をかけて
なにより、綺麗な顔立ちだった。