海の底の君へ。―天国の君へ―
いなくなってしまった彼にもう一回会いたくて
病院内に戻った。
すると看護師さんが私の顔を見て
はっ、として近づいてきた。
「どこ行ってたの、
起きたらナースコール押してねって
メモ置いておいたのだけれど…。
気づかなかった?」
「すみません…、
喉乾いたので冷水機を探しに」
何故かよくわからないけど
彼に会ったことは私だけの秘密にしておきたくて
屋上に行ったことは言わなかった。