彼女にもう一度

*やっぱり

「誠!久しぶりだなあ!」


高校時代からの親友、高志は、待ち合わせのカフェに入って来るやいなや、一目もはばからず大きな声をあげた。
僕は、おぅと小さく手をあげてそれに答える。


「1人暮らしはいいよな、俺は地元組だから誠がうらやましいぜ」


高志はそう言いながら、僕の向かいの席に腰をかけた。
メニューも見ず店員に「カフェラテ1つ」と頼む高志は、昔よりもやけに大人っぽくなっていた



「それよりお前、彼女できたらしいじゃないか!おめでとう!」


「……ありがとう」


いきなり核心をつく質問に僕は戸惑った。


「お前、ココちゃんのためにずっと独り身でいるんつもりなんじゃないか、って心配してたんだ」


「ごめん」という返事しか出てこないのが情けない。


そういえばそんなことを考えていた時期もあったな……と僕はあの頃を思い出していた。
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