特ダネには真実を
「名前、変えたのか?」


「はい。苗字もそうですが、折姫なんて名前、結構目立ちますからね。」



氏名は正当な理由がある場合、申請すれば変更は可能だ。


名前が世間に広く知られてしまい、尚且つ特定されやすかった2人は、変更せざるを得なかった。



秀滝も自分の名前が嫌な為に調べたことはあったが、正当な理由には程遠かったので、変更出来た人間がしかも身近にいるとは思わなかった。



「だが、名前を変更したとしても追えるはずなんだがな。事が事だったから、令状も出したはずだ。」


「それは……、まぁ多分、上手いことしてくれたんだと思いますよ。」



「随分歯切れが悪いな。警察以上に裁判所に顔が利くなんて、そっち方面だよな?」



薇晋の言うそっち方面……


つまり、莪椡渠瑛が属していた政財界のことだ。



「誰だ?」

「言えません。」



薇晋に対し、間髪を容れずに潮は答える。



「南能~!ここまで言って黙秘かっ!」


「向こうに迷惑はかけられないです。それにあの時、窓口になってくれた人以外は知らないんですよ。私は子供だったし、嚇止くんはそんな余裕なかったし。」
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