特ダネには真実を
「新聞見たよ。犯人はまだ逃走中なんだって?」


「そうなんですよ。犯人に繋がるようなもの、何もなかったみたいで。警察も目下捜索中、って感じです。」



碣屠實も嚇止の訃報に驚き、潮に連絡を入れたようだ。



「そっか。早く捕まるといいんだけど。………ねぇ、嚇止くんから何か預かってるものとかないの?」


「預かってるもの…ですか?」


「うん。何でもいいんだ、最近じゃなくても。ほら、警察には分からなくても、僕達なら分かることがあるかもしれないでしょ。」



「そう…ですね……」



潮は迷う。

碣屠實の言うことにも一理あるが、資料のことは嚇止と2人だけでしてきたこと。


不正など持っての他、クリーンな政治を売りにしている碣屠實。

そんな彼の性格上、横領関係の資料があるなど知ってしまったら怒りに任せて告発しかねない。


何よりその資料は、薇晋に預けてある。



「国北先輩としてのことを警察が聞きに来た時に、関係あるかないか分からないものも全て、過去のものとか渡しました。だから、私の手元には無いんですよ。でも、警察なら絶対犯人捕まえてくれますから大丈夫ですよ。」
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