横顔だけじゃ、足りなくて
⇒ポケットの中
テスト最終日から一週間が経ち、全てのテストが返却された。
この二週間、学校でもちゃんと勉強していた成果が出たのか、全て平均点以上だった。
放課後の誰もいない静かな教室で一人、テストを広げて平均点を出していく…
《ガラッ…》
急に開くドアに身体をビクつかせながら、ちらっと見ると彗くんが右手を軽く挙げて歩いてきた。
「びっくりしたー」
『ごめんごめん』
私の前の席を借りて、机に広げてあるテストをじっと彗くんは見た…