蜜愛フラストレーション
その刹那、柔らかなもので性急に塞がれる。リップノイズを立て、何度も角度を変えてキスが深まりゆく。
すべてを奪い去るような激しさに、私はくぐもった声を上げながら目の前の首筋に手を回した。
その一瞬の隙をついて熱い舌が侵入、咥内を無遠慮に歯列をなぞりだす。
「……ん、ふぅ……んっ!」
舌を絡ませて封じた瞬間、今度は手先が腰に触れて。やわやわと性感帯を刺激されていく。
私は目を開けて睨みつけるものの、それがかえって煽り立てたのだろうか。
咥内をさらに舌先に蹂躙され、同時に胸と太ももを無遠慮に撫で始めた。
生理的な涙が頬をひと筋流れると、フッと眦を下げた優斗。優しいのか、意地悪なのか分からないところは相変わらずだ。
甘い誘惑によって、みだりに溢れだす欲。どう足掻いても、私はこの人しか駄目だから。
——この時間がずっと続けば良いのに、そう思いながら再び目を閉じた。
「やーだー、エロい顔してるぅ」
ニヤニヤしながらこちらを見てくる人物をひと睨みし、「セクハラ」と切り返す。
「目の前でそんな顔されるとねぇ。優斗、ここにいたらがっつきそう」
「いつかまとめて訴えてやる」
「えー、大丈夫?うちの顧問弁護士、相当強いけどぉ」
勝ち誇った百合哉さんにそっぽを向くと、目の前の料理を食べ始めた。
あれから優斗は名残惜しそうな表情で、約束があると言って部屋をあとにした。
入れ替わるように訪れた百合哉さんがルームサービスを頼み、ふたりで食事をしている。
私たちが会っていた間、百合哉さんはふたつ隣の部屋で仕事をしていたという。
時間差とはいえ、私と優斗の姿を誰かに見られた場合の逃げ道のために。さらに私に危険が及ばないよう、ずっと待機してくれたのだ。