嵐の夜に。【短編】
「そう。宮下は生徒だし、そういう対象には見てなかったのに。
一生懸命になって嫌いな本を読もうとする姿を見ていると、どうしようもない気持ちが芽生えてしまいました」
先生がそう言い終わると同時に、電灯がついた。
「う、嘘……」
「こんな嘘を言ってどうするんだ」
むっとなって睨むような目をした先生。
その顔は耳まで赤くなっていた。
「だけど、俺は教師だ。生徒と付き合うことはできない」
わたしはうなずいた。
「もし、宮下が……」
先生の言葉を黙って待つ。
「卒業しても俺を思う気持ちが変わらなければ、その時は」
「変わるわけないよ」
即答していた。
「未来なんてわからないし、人の気持ちも変わるものなのかもしれないけど……。
それでも、不思議とこれだけは自信あるんだ」
わたしは微笑んだ。
「きっとずっと先生が好き」
END.

