bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-

フロアに着くと、今日もブランドカーテンは全て開けられて、新聞を広げている本郷主任が目に飛び込んでくる。


重たい気持ちに悔しさも加わって、沈んだ気持ちになるのをどうにか奮い立たせる。





「本郷主任、おはようございます。」

「おぉ、おはよう」



新聞からチラリと私を見やって、少しだけ勝ち誇ったような顔をされたから、悔しさとともにイラっとする。



「本郷主任、昨日から、早いですね。私、もう遅刻したりしないから大丈夫ですよ」


ちょっと強がって声をかけると、こちらには視線もくれずに、新聞だけをみていた。




「安藤、お前うねぼれるなよ。誰がお前を待ってたと言ったんだ?俺にも山積みの仕事があるんだよ」




いつもの不機嫌そうな言い方に、これ以上声をかけるとなんだか怒鳴られそうな気がしてならなくて


「コーヒー淹れてきます…」




今にも消え入りそうな声で一言だけ伝えて、今日も給湯室へ逃げ込んだのだった。

 

 
< 203 / 282 >

この作品をシェア

pagetop