bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
「ねぇ、安藤さん。今日のコーヒーちょっと濃すぎなんじゃない?量も俺で終わっちゃったんだけど」
私、本郷主任が2人きりでパソコンのキーボードの音を無言で響かせていると、3番目に出勤してきた神部君が給湯室からコーヒーを自分のカップに注いでフロアに戻るやいなや私に声をかけた。
「安藤さん、間違えたの?珍しいね」
何も知らず、本来、本郷主任用に作っていたコーヒーをカップに注いだ神部君が私を不思議そうに見ながら笑って言った。
「ごめんね。足りないだろうから、もう一回作っておこうかな」
平謝りしながら苦笑いして、私は給湯室へ逃げ込んだ。