目なし女の消えない呪い
「麻美子、余計なことは言うな!

オレたちは何も知らないんだ!」




秀雄はそう言って、怒鳴り声を上げたが、麻美子はかまわず、話を続けた。




「美月は長島優子の遺骨を探しに、学校の裏山にある洞窟に行ったわ。

三十年前に行方不明になった長島優子は、今でもそこにいるはずよ」




「麻美子、何を言っているんだ!

自分が何を言っているのか、わかっているのか?」




「拓也くん、美月のところに行ってあげて。

美月は一人で、学校の裏山にある洞窟に行ったはずだから……」




〈 行かなくちゃ……。

オレは美月のところに、行かなくちゃ…… 〉




拓也はそう思って、麻美子の顔を見つめた。
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