青い春の中を、きみと一緒に。
しばらく待っていると、紺野さんが現れた。
俺が教室に残っていたことに驚き、すぐにどうしたらいいか分からない顔になった彼女は、よく見ると、なぜか目元が少しだけ赤い。
「あの--」
「うん、コンタクトの調子が悪くてね」
真っ先に赤い目元のことを訊ねられると思ったのだろうか、紺野さんは俺の声に被せるように早口でそう言い、自分の机に行って鞄を取った。
図らずも紺野さんとの距離が近くなり、顔を俯かせていても、否が応にも分かってしまう--それがコンタクトによるものではないことが。
「……綱引き、残念だったね」
「う……ん……残念、だったよね」
その瞬間、鞄の持ち手をギュッと握り、泣くまいと必死に堪えていた紺野さんの目から堰を切ったように涙が溢れだし、静かな教室内に響く嗚咽が、執拗に彼女の喉を詰まらせる。
この涙の理由は明白だった。
体育祭が終わったことでずっと張り詰めていた気が緩み、感情が溢れたのだろう。
けれど、俺の予想はいい意味で裏切られる。
「……さっき、2人に自分の気持ちを話してきたの。どうして2人でバドミントンに手を挙げたの?、あたしのこと忘れてた?って。どれくらい寂しかったか、伝えようと思ったんだ」