青い春の中を、きみと一緒に。
俺の背後で、カタンと椅子を引く音がした。
教室には誰もいないと思っていただけに、あからさまに驚いてしまい、思いっきり振り向く。
するとそこには、あの彼女。
ふとした瞬間に俺の視界に写り込む、友達と喋っていてもどこか一線を引いているようなところがある紺野さんが、今まさに自分の机に学級日誌を広げようとしているところだった。
「……どうしたの?」
じっと見つめていることに気づいた彼女が、日誌から目を上げて俺に問う。
うわ、今初めてまともに目が合ったけど、なんつーか、独特の雰囲気がある目だな……。
「あ、いや、日直って紺野さんだったんだとか思って。俺はノリセンに雑用押し付けられて、体育祭のメンバー表を書かされてんだ」
「え、部活は? あたし代わりに書くよ?」
「マジで!?」
紺野さんが持ちかけてくれた思いがけない提案に興奮した俺は、思わずガタンと大きな音を出しながら彼女のほうに身を乗り出す。
紺野さんの席は、俺の位置からだと左斜め後ろで、彼女はいつも俺の机の脇の通路を歩いて休み時間などに友達のところに喋りに行く。
昼休みもそこでご飯を食べていて、一度弁当箱を覗いたことがあるのだけど、小さい体に見合わず、わりよとく食べるタイプのようだった。