甘々王子にユウワクされて。


今の最終下校時刻は20時。


その時間になると昇降口が閉まってしまう。



段ボールの蓋だけかるく閉じて、急いで荷物を準備する。


鞄を肩に引っ掛けて、特別教室に鍵をかけた。


明日も早いので、鍵は自分たちで管理してもいいことになっている。



走って階段を駆け下りて、なんとか施錠時間に間に合った。



「じゃあ高槻くん……また明日」




昇降口を出て一息ついたところで、高槻くんにそう声をかける。



彼は自転車通学だから、こんな暗い中危ないよなぁ……と心配していると。




「自転車とってくるから校門で待ってて。駅まで送る」



「……え、」




お、送る!?


そんな申し訳ないことはできない。


< 129 / 247 >

この作品をシェア

pagetop