甘々王子にユウワクされて。
「何……しているの、彼は」
ついぽつりと呟いた。
すると意外にも隣から低い声が返ってきた。
「……あいつ、困ってるやつほっとけねェから。自分が一番得意な方法で助けようとする」
一番得意な、方法。
それは例えば、大人数をまとめ上げたり、みんなの前で話をしたり。
わたしに苦手なことだ。
「こういう細かい機械的な仕事を手伝うより……あぁいう仕事にまわったほうがいいって思ったんだろうな」
「そう、なんですか」
やっぱり彼は……立派な人間だ。
現にわたしは今、とても助かっている。
誰も不愉快な思いなんてしていないのに。
……すごいな。
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