甘々王子にユウワクされて。
そんな目は見たくなくて、ばっとそらす。
掛け声が聞こえなくなってしまったサッカー部を眺めるように侑心に背を向け、震えないように声を張った。
「は……っはは! まじかよお前!
笑える……っ!」
……笑える、はおまえだろ、晃斗。
「ちょ、腹いてぇ……ゆうかよ、よりによって!
あんな奴のどこがいいんだよ」
サッカー部の生徒がシュートを決めるのが2階の窓からよく見える。
かわりに侑心がどんな顔してるのかなんて知らない。
「あいつなんて、女らしくねェし部屋はきたねェし料理できねェし。
頭だってよくねェしいつも学年最下位ギリギリのばかだしさ?
か、顔だってそんな可愛くねェし幼児体型だし、それに……それに、あいつは……えっと」
思いっきり笑った声で、外を向いたまま言い連ねる。
あいつの悪口なんてそれ以上思いつかなくて、言い淀んだそのとき。