甘々王子にユウワクされて。
「……ふざけんなよ」
怒りの感情がふつふつ湧きあがって、侑心を今度は俺が壁に押しやってやろうと考えた。
恥なんて捨てて、俺の感情を全部ぶつけてやろうかと思った。
「…………あきくん! 侑心!」
焦ったそんな声は、俺の耳に届かなかった。
ばっと侑心の右腕を押して気がついた。
俺が押し付けられていたのは、2枚の窓ガラスの上。
このまま侑心を彼の左腕を軸にまわすように押してしまえば……何もない、外の世界。
中学生男子の力を平均以上に持つ侑心なら、腹筋背筋もそれなりにあるし、まさか落ちるなんてことはないだろう。
もし落ちそうになっても、俺にも侑心を少し支えるくらいの力ならある。