甘々王子にユウワクされて。
だけど。
そんな侑心が落ちるんじゃないかと心配して、割り込んだ細うでの持ち主なら。
俺らの筋力の何割かしか持たないような細くてかわいい奴なら。
……簡単に落ちてしまう。
たとえ押し付けようとしなくても、もし腕が当たっただけでも。
「……、え?」
侑心の肘が何かに当たる鈍い音がして、
紺のセーラー服が窓から投げ出される姿が、嫌にスローモーションで見えた。
紺色のセーラー服、そして長く高く結びあげられた黒いポニーテールがゆっくりと落ちて行く。
俺も侑心も、
夕日が差す教室で固まったまま。