甘々王子にユウワクされて。


一瞬後、真下から聞こえた鈍い音。



俺は動けないまま考えた。




大丈夫、この下は花壇がある。


2階から落ちたところでそんな大けがはしない。


そういえば前に体育の授業に間に合わないからって飛び降りたような猛者もいた。


大丈夫、すぐに下から明るい声が聞こえてくるはず。




そんなのはただの希望でしかなかったのに。





いつまで待っても、下から彼女の無事を知らせる声は届かなくて。


代わりにサッカー部のざわめきや女子生徒の悲鳴が聞こえてきて。



俺は侑心の右手を掴んだまま、侑心は外に背を向けたまま。


お互い向かい合って、動けずにいた。




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