甘々王子にユウワクされて。
動けたのは何分後かわからない。
そういえば途中、救急車のサイレンのようなものが聞こえたかもしれない。
だけど俺たちが動けたのは、ケータイに着信が入ったとき。
学ランのポケットからなり出した電子音は俺たち二人を驚かせた。
「……もし、もし」
『あ、あっきーッ!? よかった出てくれて! 侑心は部活かな、どこかわかったりする?」
久しぶりに声を出したからかすれていた。
電話の向こうでは、やけに声が大きい楓。
「侑心なら……今俺といるけど」
『え、なんで!?』
「……部活やすんだらしくて。教室にいる」
『教室? こんな時間まで……?
まぁいいや、ねぇ今すぐ二人で病院に来て! 地図はメールで添付するから。
ゆうが大変なの……!』