甘々王子にユウワクされて。
……どくん、とした。
通話が切れた音が、俺の心臓のリズムを乱していくようだった。
手も震えて、呼吸も浅くなる。
そんなのを必死に隠して、スマホを耳から離す。
一度しっかり深呼吸をして、口を開いた。
「……侑心、楓からだけど」
「あぁ……聞こえてた」
でかい声だったから、侑心にも聞こえていたらしい。
通話画面を閉じたら通知が増えていて、それを開くと、チャットアプリで楓から地図のスクリーンショットが送られていた。
それは公立高校の近くにある大きな大きな病院。
侑心に地図を転送して、俺たちはろくに話さないまま教室を出た。
夕日がいつの間にか沈んでしまって、辺りは暗くなってしまっていた。
ただ、考えていたのは。