【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「……よく言った、咲誇」
背後から声がして、京也の存在を思い出した。
バッと振り返ると、京也が切なげに笑っていた。
「京也……ごめ、私…」
「いいって。分かってたことだし。……とはいえ、目の当たりにするとキツいけど」
『ありがとう』?
『ごめんなさい』?
そのどちらを言っても、彼を傷つけてしまう。
何て言えばいいのか分からなくて、ただ見つめた。
「…やめろって、そんな見られたら……襲いたくなるから、さ」
冗談めかしたその言葉も、笑えなくて。
悲しそうな顔して、そんなこと言わないで……
私を見て優しく笑った京也は、蓮央に視線を向けた。
「おい南蓮央、もし咲誇を泣かせたら俺がすぐ奪いに行くからな?」
「……その時は、また俺が奪い返す」
「おー、こわこわ。お前らの愛には敵わねぇな。……もう用はないだろ、行けよ」
前髪をかきあげ、京也はしっしっと手を振った。
そして、リビングへと歩いていく。
このまま、別れてはダメ。
無性にそう思って、気づけば声を上げていた。
「……っ京也!」
遠ざかる彼の足が、ピタリと止まる。
かける言葉なんてない。
だって私は、彼を裏切ってしまったのだから。
本当は、黙って出ていくべき。
…そのはず、だけれど…………