青空ライン~君が居た青春~

出ていくゆーちゃんを見送った茉優ちゃんは、私に向き直ると、メイクポーチだと思われるものから、ファンデーションを取り出す。

そして、私にポンポンっとリズムよく私の肌につけていった。


「ま、茉優ちゃん……今から何が……。」


私は恐る恐る茉優ちゃんに聞くと、茉優ちゃんはにっこり笑って、still kingの皆さんから頼まれたんですけど、と言って言葉を続けた。


「波瑠さんはずっと、アイドルをやめてからメイクやおしゃれをしてないって遊佐から聞いたんです。」


あ……。
そういやアイドル辞めてから、いつメイクしたっけ……、した記憶がない……。
アイドルしてた時はいっぱい服も買ってたのに、今は1着も服を買った覚えがないし……。


「元々、波瑠さんはメイクしてなくても充分可愛いし、しなくてもいいと思ったりしますけど……出掛けることも自分達のせいでできてなくておしゃれをする機会もなくなってしまったから、」


自分達のせいで、って……。
そんなことないんだけどな……。
自分は充分幸せ過ぎるのに。
そんなことを皆は気にしてくれていたんだ……。





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