ベビーフェイスと甘い嘘

***

母が帰って遅めのお昼ご飯の最中、そうめんを啜りながら芽依が、ふと思い出したような表情で「そう言えば、茜ちゃん……」と話かけてきた。


次の言葉を待ったけど、一向に話の続きが出て来ない。


「どうしたの、芽依?あんたが言いにくそうにしてるなんて珍しいね」


いつもなら、考える前に口からポンポン言葉が飛び出すくせに。


「夏祭りの日、ウサミナオキと会ってた?」


言い淀んだ後の直球な質問に驚いて、飲み込んだはずのそうめんが口から飛び出しそうになった。


「うっ……げほっ、ごほっ」


「わっ、茜ちゃん大丈夫?!」


「げほっ……め、芽依……」


どうして知ってるの?!


私の狼狽える様子を見て芽依は「やっぱり噂は本当だったかー」と言った。


……どういうこと?


「茜ちゃん、今『どういうこと?』って思ったでしょ?それ、こっちが聞きたいんだけど」


「智晶ちゃんと一緒に帰ったはずの茜ちゃんが、何でウサミナオキと一緒にいたの?それで、どーしてそれが『ウサミ』のお店で噂になってるの?」
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