ベビーフェイスと甘い嘘
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それからの店長の行動は素早かった。
「いつまでも妹さんの家にも居られないだろ。ここなら何部屋か空いてるから、落ち着くまで移って来たらいい」
「そうそう。事後報告で申し訳ないけど、大体の事は樹から聞かせてもらったよ。家に戻りづらいなら、ずっとここにいてもいいからね」
こんな感じで、いつの間にか登場したオーナーにも私の事情は筒抜けだった。
事情を聞かれる為に事務所に呼ばれたのではなく、大体の事情を察した上で部屋まで用意してもらっていた事には驚いた。
もうすぐ翔の夏休みが終わってしまう。店長とオーナーの提案は正直ありがたく、厚意に甘えることにした。
『この人はオーナーにどこまで話したんだろう……』と多少頭を抱えたくなったものの、私は事務所のあるマンションの一室に当面の間移り住むことになった。
だけど……
取り立てて仕事の出来る訳じゃない私が、本当に社員なんかになっていいんだろうか。
店長は同情じゃないと言ってくれたけど、それがどうしても引っ掛かった。
「ほんとに私でいいんですか?社員になるなら九嶋くんとか唯ちゃんのほうが向いてるんじゃないですか?」
気がついたら、こんな質問が口から飛び出していた。
そんな私を「はぁ?」と一瞥して、ぞんざいな口調で店長は答えた。