ベビーフェイスと甘い嘘

***

「駐車場で待ってるから」

仕事を終えて帰り支度をしている途中で、九嶋くんからLINEが来ているのに気がついた。


帰り支度を済ませて急いで駐車場へと向かう。


「ねーさん、お疲れ」


駐車場の奥側、スタッフ用のスペースに停めてある私の車の傍に立っていた九嶋くんは、私が来たことに気がつくと笑顔で軽く手を挙げた。


奈緒美ちゃんと話した後、九嶋くんは店長と少しだけ話をして、それから帰って行った。あまり時間も経っていないのに、また戻って来てるなんて思ってもいなかった。


「お疲れ様。九嶋くん、どうしたの?」


「送るよ。眼鏡無いと運転できないでしょ?」


確かにスペアの眼鏡を持って来ていない。仕事だって目をこらしながらようやくこなしたのだ。


九嶋くんはそんな私に気がついて、わざわざ送るために戻って来てくれたらしい。


「今日は歩いて帰ろうと思ってたんだけど……」

「歩いて帰るのはダメだよ」

「どうして?」


「呆れた。何で分かんないかな。……ねーさん、昨日店長に送ってもらったんだよね?どうしてそんな事になったか、ちゃんと分かってんの?」
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