ベビーフェイスと甘い嘘
「……やっぱり危なっかしい人だね。ほんっと無防備なんだから。こうやって言い寄られるままに流されちゃダメだと思うんだけど」
クスッと笑われてようやく我に返った。
固まってしまったまま言葉が出てこない。
きっと顔は真っ赤になっているはずだ。
「……びっくりした?……どうしていきなりこんな事したの?って顔しちゃって……ほんと茜さんは分かってないよね」
九嶋くんは真っ直ぐに私の目を見つめて、それから真剣な表情で言った。
「あなたはちゃんと言葉にしないと分からない人だから、はっきりと言うよ。俺はね、茜さんに惹かれてる。たぶん『still』で涙を見たその時から、少しずつ」
「茜さんと一緒にいると凄く楽しいんだ。……みんながいなくなってからは歌っている時でも、溺れたみたいにうまく息ができなくていつも苦しかった」
「でもね、茜さんに歌った時は自然に息ができて、全然苦しくなかったんだ。それに気がついた時には自分の中でも感情が整理できなくて随分戸惑ったけど……今ははっきりと言えるよ」
「俺にとっては、もう茜さんは友達じゃない。……さっき言ったはずだよ。『告白』するって」