ベビーフェイスと甘い嘘
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「ーーあんな事言ってたけど、直喜ちゃんって基本的に嘘つきですよ」
「嘘をつき続けて、本音を吐き出し忘れて、自分でついた嘘にがんじがらめになって……」
「そうしないと守れないものがあったから。家族はもうとっくに直喜ちゃんの事認めてるのに、『欲しくない』って嘘ついて手を伸ばさないんです」
マンションまで送ってもらう道すがら、ポツリポツリとまるで独り言を呟くように奈緒美ちゃんは教えてくれた。
「ーー直喜ちゃん、茜さんの旦那さんを見て凄く怒ってた」
「……写真を見たの?」
千鶴ちゃんから奈緒美ちゃんに送ったあの写真を、直喜も見たの?
思わず顔を曇らせてしまった私に、奈緒美ちゃんは慌てて謝ってきた。
「ごめんなさい。私が見てほしいって強引に見せたんです。直喜ちゃんにも確認して欲しかったから」