ベビーフェイスと甘い嘘

「……ありがと。九嶋くんがこんなに話しやすい人だと思わなかった」

「俺も。ねーさんがこんなに可愛いらしい人だと思わなかった」

「なっ……か、からかわないでよ!」

突然、可愛いなんて言われて頬が熱くなる。

「言われただけで真っ赤になるところも、可愛いな」

可愛いなんて言われたことが無いから、恥ずかしくてたまらない。首のほうまで熱くなってきた。


「でもね……ねーさん」

突然向かいあった席から九嶋くんがぐっと身を乗り出してきた。驚いて固まってしまった私を間近でじぃっと見つめながら、九嶋くんはにっこりと笑った。


「ねーさんはもっと可愛くなれると思うよ。可愛くて隙の無い女になって逆にナオキのこと振り回してやれば?」


……何だか嫌な予感がする。この人、この状況を楽しみはじめてない?


「ちょうど自分の顔だけメークするの、飽きてたんだよね。『女』磨いてあげるから、顔貸してくれない?」
< 78 / 620 >

この作品をシェア

pagetop