一生続く恋をしよう。
「………=電気くらいつけろよ。こぇーなぁ。」



そう言ってパチッと電気のスイッチをつける比呂人。


私は比呂人より先に仕事を終えて比呂人の家で待っていた。


比呂人からもらった合鍵。


初めて使うのがこんな時だなんて。



私はもぅ泣きすぎて何も話す気になれない。


なんなら、泣きすぎて視界が狭い。


「………ひっでぇ顔。」


そう言ってテーブルになぜか持っていた花束と、ワインを置く比呂人。



私は怒りがこみ上げてくる。


「……誰のせいだと思ってんのよ!?ちゃんと話して!!」


私は比呂人に向かってクッションを投げる。


比呂人はクッションを受けとるとスーツの上着を脱いで、私を抱きしめる。



「……今年の。今年の春にはパリ行きは決まってたんだ。」


なにそれ。私と付き合う前から決まってたってこと?


「もともと、婦人服フロアはパリへ行くための勉強としてやってたんだ。」


比呂人は私をソファーの上に優しくおろす。


「2ヶ月後、とりあえず一年間出張ってことでパリへ行く。そのあと一旦日本に帰って来てそれから正式にパリ支社に配属になる。」


「1年?1年も離ればなれになって。そのあとは一旦帰って来てまたパリ?なにそれ。私達どうなるの?」


1度口を開けば、後は一気に言葉が出てくる。



「パリに行く事決まってたのに!それなのに私と付き合ったの!?ってゆーか、それならもっと早くに言えたじゃん!なんで今まで黙ってたの!?信じらんないっ!!」


「あのなっ!俺だってまさか奈々と本当に付き合うと思わなかったんだよ!俺だって不安で言い出せなかったの!」


「でも!今まで何回か、チャンスあったでしょう!?なんでっ!もうっなんで!?」


ほんと、


なんで。


しか出てこない。


頭ではちゃんとわかってる。


これ以上ワガママ言って困らせたらいけないって。


でもきっと比呂人を大好きな分だけ


私は、はいそうですか。いってらっしゃい。なんて言えない。


「比呂人のバカっ!!」



「はぁーもうめんどくせぇ。たかが1年だろ。」


比呂人は本当にめんどくさそうに頭をグシャグシャっとする。



「なにそれ。たかが1年って何。比呂人は私に会えなくて寂しくないの。」



比呂人の言葉に愕然とする。



私にとっては、


『たかが1年』


じゃない。






< 44 / 48 >

この作品をシェア

pagetop