イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)

「あぁ、まだ触ったらダメよ!?
火傷しちゃうから」

慌てて止めた。

まだスポンジは、熱いから危ない。

冷ましてから半分に切って
生クリームと苺をたくさん乗せる。

そして、スポンジのもう半分を乗せ
生クリームを全体に塗った。

「あ、何か上手く搾れない……」

生クリームを搾ろうとしたら
変な方向に行ってしまった。

すると見ていた睦月君が手を出してきた。

「もしかしてやりたいの?」

そう尋ねると睦月君は、コクり頷いた。

せっかくだからと交代してあげる。

ギュッと絞り袋を搾ると
生クリームが飛び出してきた。

私の指示通りにやる睦月君。

「睦月君。上手、上手。
私より上手いわねぇー」

意外と器用に何でもこなす。
楽しそうに作っていると先生が入ってきた。

「うっ……なんだ、またケーキかよ?
この甘ったるい臭いは…」

先生は、眉を寄せながら
不機嫌そうな言ってきた。

そんなに嫌がらなくても……。

「お疲れ様です。
もう少ししたら出来上がるので待ってて下さい。
すぐに片付けますので」

私は、そう言った。

先生は、ため息混じりに
こちらに来るとコーヒーを淹れていた。

私は、そのままケーキ作りを再開させる。

「上手、上手。
後は、苺を盛り付けて出来上がりよ!
睦月君。上手に出来たねぇー」

褒めてあげると睦月君は、コクりと頷いた。
それを見ていた先生は、

「お前ら…何でも楽しそうでいいな」

ボソッと呟いてきた。

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