イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
えっ?
「先生。今、何か言いましたか?」
「いや…別に。
甘そうなケーキだなと言ったんだ」
先生は、そう言ってきた。
「確かに甘いかもしれませんが
なかなかの出来栄えなんですよ。
ほら、睦月君が生クリームを担当したんです」
ケーキを先生に見せた。
まだ苺が飾り付けしていないし
歪な部分もあるけど
なかなかの出来栄えだと思う。
先生は、ジッとそのケーキを見る。
そして私達を見ながら
「どうでもいいが、お前ら顔中
生クリームだらけだぞ?」
えっ!?
慌ててケーキを置くと手で拭う。
すると先生は、近くの置いてあった
タオルを取ると私の顔を拭きだした。
「せ、先生!?」
まさか、拭いてくれるなんて
思わなかったから恥ずかしくなってしまう。
顔から火が出るかと思うぐらい熱くなった。
「……動くな。
拭けないだろーが」
叱られてしまった。
大人しく拭かれる事にしたのだが
心臓がドキドキと鳴ってうるさかった。
拭き終わると次は、
睦月君を拭いてあげていた。
睦月君のように
子供扱いしてきたのかもしれないけど
まだドキドキしていた。
静まれ……心臓。
そして、やっと
クリスマスケーキが出来上がった。
後のご馳走も大急ぎで作り何とからしくなる。