イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)

「そ、そんな事ないよ。
無理なんてしてないし」

慌てて否定する。
しかし睦月君は、ジッと私を見ていた。

なんだか見透かされている気分だ。

うーん。複雑な気分だわ。

その時、あるショップに目に入る。

ガラス越しに見えたネックレスが
先生にピッタリだった。

少しゴツい感じのシルバーネックレス。

中心の緑色の石とデザインも
ロック系に見えて先生のイメージによく似合う。

これだわ!!

これなら先生に身につけて貰えるかも

「睦月君。ちょっと
このお店に立ち寄ってみてもいい?」

そう睦月君に尋ねるとコクりと頷いてくれた。

さっそくショップの中に入り
あのペンダントを購入する。

高かったけど、日頃お世話になっている事を
考えると妥当の値段だろう。

先生……気に入ってくれるといいけど

渡せる日が楽しみ。

そしてクリスマスイブの当日。

私は、午後からクリスマスパーティーの準備で
大忙しだった。

このために、ご馳走用の料理をネットで
調べて研究した。

ケーキも手作りに挑戦。

ただし練習で作って
失敗したケーキの数は、数知れず。

甘い匂いがするため
先生に叱られっぱなしだったけど今日は…。

「できたー!!見て見て睦月君。
綺麗にスポンジが焼き上がったわよ!?」

本番は、大成功。

ホカホカで綺麗に焼き色がついている。

あの真っ黒いスポンジと比べたら
嘘のような出来栄えだ。

睦月君は、興味津々と
そのスポンジに触ろうとした。

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