*°春夏タチバナ*°




「あ!冬羽先輩!って、何してるんですか!?」











あと少しでキス…って時に

そう、聞きなれた声がした






その声にパッと目を開けると
秋くんもそっぽを向いていて、ちょっと残念だったなぁとか思ったり…











「今日二回目だね冬貴くん」











私を先輩なんて呼ぶ人1人しかいない


本日二度目の登場冬貴くんでした






キスしようとしているのを見られていたなんて
ものすごく恥ずかしいんですけど…











「こんなところでキスしたら誰に見られるかわかりませんよ?
うちの高校厳しいのでキスしたのがバレたり、見られたら先生からものすごい怒られるらしいですよ」





「で、ですよね…
あ、ありがとう冬貴くん」











何故か後輩に説教を受けてしまうダメな先輩です






そうか、うちの高校そうだったなぁ




男子はめっちゃ殴られるとか…
女子はすごい厳しく怒られる…とか





そんな噂を聞いたことが…



でも春翔くん教室でキスしたよね








でもでも、こんなところって言うほど
人通りの多いところじゃないけどね





なんてちょっと言い訳してみたり…











「えっと、冬貴くんだっけ?
普通そこは邪魔しないんじゃない?」





「俺はただ、2人の為を思ってしただけです」





「2人の為を思ったなら邪魔しないで」











私がどうしたものかと戸惑っていると
秋くんと冬貴くんが軽い言い合いを始めてしまった





どうも秋くんと冬貴くんは合わないみたいだよね











「ま、お邪魔虫は退散しますよ
くれぐれも、キスしようなんて考えない方がいいですからね」











冬貴くんはそう言うとそそくさと帰ってしまった





憎めない子だよね冬貴くんって






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