*°春夏タチバナ*°
翌日、私が学校に行くと
春翔から腕をつかまれた
「ちょっと来いよ」
「な、なに?」
そう言いながら廊下に連れ出す春翔は
いつもに増して怖い…
「お前さ、俺のこと好きなの?」
「きゅ、急に何言い出すの?
私は春翔が好きだよ!」
「へ〜、それ、俺の顔みて言えよ」
昨日の罪悪感とかからなかなか春翔の顔が見れないのを当てられてしまった
本当私は何してるんだろ
こんな私…合わす顔ないよ…
でも春翔好きだし…
でも由の人生狂わせて幸せでいいのかな?
だめだ…考えれば考えるほどおかしくなる…
「おい!
俺の顔を見ろって言ってんだよ!」
「っ…」
春翔のあまりの剣幕にハッと顔を上げると
春翔が私の頬をガシッと掴んだ
「言え!好きだって言えよ!」
「は、春翔…怖い」
初めて春翔に恐怖心を抱いた
こうやって怒る春翔は初めてで
こんなに焦っている春翔は初めて…
「怖いって聞きたいんじゃねーよ!!」
「ご、ごめん…」
私がもう視線を逸らしていると
春翔の腕を掴む手が見えた
「春翔、鏡見ろ
俺から見ても怖い顔してるぞ」
そう言って現れたのは冬羽と秋くん
秋くんはいつも春翔を見守ってて
いざとなれば止めるし
ふざける時はふざける
2人は凄くいい関係だろうなぁって見てて思うんだ
私も秋くんみたいになれたら春翔ともっと上手くいくのかな…?