*°春夏タチバナ*°




「ゆ、由」











そう、この騒ぎの発端…?の由くん


それだけじゃないって…どういう事だろう…











「立花は男子からも人気なんだよ」





「え?」





「それに比べて滝は男子からは嫌われてて、いじめたいってやつもいっぱいいる
でもそれを立花が裏で守って、フォローして今成り立ってんだよ」











そうなんだ…知らなかった



確かに春翔くんは反感買いやすいよね…





というか、昨日転校してきたばかりなのに
よく把握してるなぁ




なんて納得していると
秋くんの顔がすごく怖くなっているのに気づいた





秋くんのこんな顔は初めてで…
すごく怖い











「余計な事言うなよ
友達なんだから当たり前だろ」





「そんなことしてっと、立花も嫌われるぞー」





「うるさい
あんたには関係ないだろ」











秋くんにこんな顔されても平気そうな由くんの気持ちがわからない




でもなんで秋くんがこんなに怖い顔をしているのかわからない…






と、ふと春翔くんを見ると
苦しげに顔を歪めていた







ちょ、なに?
なんでこんな状況になってるの…?











「かっこいいよなぁー秋は!
俺をバカにするのも大概にしろよ!」











春翔くんのその言葉は
秋くんと由くんと夏那ちゃんに向けられたものだった




3人を見ながら唇を噛み締める春翔くんが
なんだか凄く悲しそうに見える





でもなんで??

秋くんは守ったのに…
夏那ちゃんの話聞いてないのに…
由くんの言葉が正しいとも限らないのに…






なんて私が心の中で思っても何かが変わるわけもなく







春翔くん は最後に秋くんをボンッと突き飛ばしてどこかへ行ってしまった






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