*°春夏タチバナ*°




教室に入ると、窓側に由くんが座る











「話って…なに??」






「単刀直入に言うよ??」






「え??」











由くんはそう言うと、ケータイをいじりながら
ニヤッと笑った




その顔が少しだけ不気味だったり…











「立花、浮気してるぞ?」





「………うわ、き?」






「ほら、証拠もある」











信じられない

とでも私の顔に書いてあったのだろうか?





由くんはケータイの画面を私に向けた





そこには、秋くんと1年で一番可愛いと噂される女の子が……





ただ写ってるわけじゃなく
しっかり恋人繋ぎをして、あげく、キスしていた






うそ…だよね…?











「秋くん…が…う、嘘だよ…」






「まぁ年下で?こんなに可愛かったら浮気したくなるのもわかるよ同じ男だし
でも、キスは流石にねぇ…」





「由くん、その画像送って」











秋くんは前に言った



好きな人としかしないって決めたって
そう言って私にキスした





なのになんで?











「りょーかい
何?これ見せてどうにかする気?」





「ううん、話をちゃんと聞く
なにか事情があったかもしれないし…」






「ふーん、意外と度胸あんのな橘って」





「そんなことないよ」











本当はすごくショック



でも、ここで何もせずにもやもやしても仕方ないもん











「じゃあ私、帰るね」











私はそう、由くんに告げて教室を出る






浮気…なんて考えたこともなかった






秋くんがそんなことするようには見えない…







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