*°春夏タチバナ*°
私がどうしたものかと校内をうろついていると
「機嫌悪そうですね」
と、急に後ろから声をかけられた
この声は…
「冬貴くん!」
「こんにちわ冬羽先輩」
「こ、こんにちわ!」
こんにちわって爽やかだなぁ冬貴くん
なんか冬貴くん、だんだん年下に見えなくなってきた
2年生になったからかな?
って!それより!
「機嫌悪そうに見えた??」
「はい、眉間にシワよって
その割に泣きそうな顔でしたけど」
「あはは…」
本当、冬貴くんには嘘つけないなぁ
私の思ってること、表情をちゃんと理解してくれてるもん
きっとモテるんだろうな冬貴くん
「何かありました?昨日のことで」
「あ…うん」
これまた図星をつかれた
冬貴くんは慰めてくれるって言ってたね
なら少し話してみてもいいかな…?
こないだから冬貴くんに甘えっぱなしで
本当ダメな先輩だなぁ私は
「話…きいてくれる…?」
「場所移動しましょうか」
冬貴くんはそう言うと、チャイムが鳴ったのも気にせず
私を引っ張って歩き出した