*°春夏タチバナ*°
冬貴くんに連れられてきたのは中庭
今は授業中だし
ここなら見られないだろうって冬貴くんの配慮
「それで?どうだったんですか?」
「あの写真見せたよ
秋くんに浮気のこと聞いたよ」
私がそう話し出すと、冬貴くんは黙って頷いてくれた
ああ…これ言ったら浮気って認めなきゃ?
でも私は………
「秋くんは否定しなかった…
冬羽が浮気って思うなら浮気って…」
「先輩…」
「だって前秋くん、好きな人としかしないって決めたって!そう言ってキスしてくれたのに…
じゃあやっぱり好きだからキスしたんじゃん…」
「先輩…?」
「でも、浮気してても好きだもん…
別れたくない…」
そこまで話すと、私の目からは涙がぼろぼろあふれでてきた
本当はすごくショックだった
大好きだから
信用してるから
嘘でもいいから否定して欲しかった
言い訳でもして欲しかった
でも、わかってたの
秋くんはそんな往生際悪いことはしない
なんてったって
すごくかっこいいんだから…
「自分で思ってることめちゃくちゃで
どうしていいかわからない…」
「───わ──なら───くだ────よ」
「ん??」
なんて言ったのか聞こえなくて
聞き返そうとすると────