*°春夏タチバナ*°




【夏那side】





冬羽から平手打ちされたのには本当に驚いた



でも、冬羽をあれほど怒らせることをしてしまったんだろうな…





なら私も決心しなくちゃ






由を突き放す決意を






そしてようやくやってきた放課後




私はいつものように由の家にいるのですが…





なかなか切り出せない…











「夏那、早く俺のこと好きになれよ」











そう言って私の服をいつものように脱がそうとする由




ダメだ、ちゃんと言わなくちゃ





今なら言うチャンスだよ…











「ゆ、由
もうこんなことやめにしよう…」





「………は??」











怖くて由の顔が見れない




私は中途半端で最低なことした





でももうこれ以上由との関係を続けるわけにはいかない






せっかく冬羽の言葉で決心がついたんだから…











「私は何が何でも春翔が好き
だからもう由とはこうしていられない!」











私はそう言ってすぐ由から離れて距離をとる





でも由は俯いて
手を握りしめて





そして突然立ち上がった











「ふざけんな
俺はお前のせいでこんななったんだよ!」






「そ、それは…
それは由が弱いからだよ!
これからもそうやって人のせいにするの?!」











私がそういうと
由はハッとしたように息を呑んだ











「なんでそんな事言うんだ
お前はこれから先もずっと俺と一緒にいるんだよ!」





「ううん、私がこれから先一緒にいるのは
春翔、ただ1人だよ」






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