*°春夏タチバナ*°




そう、クマから現れた顔は

さっき平手打ちしてしまって暴言を言ってしまった秋くん




恐ろしいことこの上ないのですが…











「切るんだ」





「う、うん…切るしかないよ」





「ふーん…じゃあちょっとふわっとしたボブにしてよ」











もしかしてそれは秋くんの髪型の好みなのかな?





でも、秋くんがそういうならそうしよう











「冬羽、話したいことがある
っと、その前にこれ着なよ」











そう言って秋くんは立花と書いてある少し大きめの体操服をくれた





着るものないから持ってきてくれたのかな?



秋くんの体操服、やっぱりちょっと大きいな…




そう考えながら袖を通した











「ありがとう…
話って何??」





「あの、浮気のことなんだけど」











っ!?


やだ、聞きたくない




ここで肯定されたら怖い






まだ私は秋くんと別れたくないよ











「ごめん、私ペンキ渡しに行かなくちゃいけないんだった!!
じゃあね秋くん!!」











咄嗟に思い出したペンキのことを理由に


秋くんの前から走って逃げた






怖い怖い怖い




さっきみんなに偉そうな事言ったのに
一番ダメなのは誰よ…



私じゃん…






自分のダメさを振り払うように
校内をただひたすらがむしゃらに走った






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